Steam Deckのストレージを拡張・交換する方法
AAAタイトルでは100GB超えも多いのがPCゲームの世界。大容量のゲームでもポータルブルできるようにするには、Steam Deckのストレージを拡張・交換するのがベストだ。
更新日: 2023.1.2公開日: 2022.12.22
Steam Deckのストレージは拡張・交換が可能
Steam Deckのストレージは、モデルごとに64GB、256GB、512GBと3種類があるが、いずれのモデルも内部ストレージの交換、もしくはmicro SDでのストレージの拡張が可能となっている。
項目 | 接続方法 | スペック | 拡張上限 |
---|---|---|---|
内蔵ストレージ | NVMe M.2 2230 | PCIe Gen 3(4枚)またはPCIe Gen 3(2枚) | - |
micro SD | micro SD UHS-I | SDXCまで | 2TB |
一番簡単なストレージの拡張はmicro SDを使う方法
Steam Deckのmicro SDスロットは、UHS-I規格のスロットでSDXCまで対応しているため、最大で2TBまで拡張が可能だ。
micro SDの場合、転送速度に難があるが、UHS-I規格は最大104MB/秒まで転送速度が出せるため、ノートPC向けHDD程度の速度は出すことが出来る。
1TBのmicro SDは実売で2万円ほどまで価格が落ちてきているため、ゲームの読み込み速度に拘りがないのであれば、2万円出して200GBほど容量が多いSteam Deckの上位モデルを購入するよりもコスパは良い。
なお、Valveによると、「内蔵SSDとmicro SDでゲームの速度には大きな影響はない」としている。これは、アスキーの検証でも、同様の結果が出ているため、決して誇張表現ではないだろう。
結果から分かるようにmicroSDカードにインストールしてもゲームの起動時間は変わらない。検証に使用したmicroSDカードはUHS-I(U3/A2/V30)対応のGIGASTONE製「4K Game Turbo」の256GB版という“ゲーム向き”として販売されている製品だが、公称の読み取り速度が95MB/secなので内蔵SSDに比べるとかなり遅い。
それでも起動時間が変わらないのだから、Steam Deckに搭載されたAPUのパフォーマンスがボトルネックになっている可能性は十分ある。そしてこの結果から、512GB版より遅いことが示唆されている256GB版のSSDでも体感できるような差は出ないことが推測される。
SSDとmicroSDカードで起動時間に差は出るか? | ASCII
ユーザー自身でのSSDの交換も可能
Steam Deckの内部ストレージについては、スマートフォンや一部のスリムノートPCのように、メイン基盤にチップセットが搭載されているわけではなく、NVMe M.2 2230規格のストレージチップが接続されているだけなので、ユーザー自身で交換が可能である。
NVMe M.2 2230規格のSSDは、Microsoft Surface Proなどに使われているが、メジャなー2280とは違って流通が少なく、512GBで2万円前後と値段も高い。
また、自分でストレージを交換する場合、メーカー保証対象外になってしまうデメリットにも留意したい。
Steam Deckのストレージ拡張でコスパが良いのは?
Steam Deckのストレージ拡張する方法で、コスパが良いものを検証する。
ベースはSteam Deck 64GBモデルとし、そこからストレージの増やす方法で1GBあたりのコストを算出する。
項目 | 追加容量 | 追加コスト | 1GBあたりの単価 |
---|---|---|---|
Steam Deck 256GBモデル | 192GB | ¥20,000 | ¥104 |
Steam Deck 512GBモデル | 448GB | ¥40,000 | ¥89 |
micro SD 512GB | 512GB | ¥9,000 | ¥17 |
micro SD 1TB | 1TB | ¥10,000 | ¥20.8 |
NVMe M.2 2230 512GB | 448GB | ¥30,000 | ¥66 |
上記の比較表から分かる通り、最もコスパが良いのはmicro SDでのストレージ拡張で、1GBあたりはおおよそ20円ほどとなる。
使い勝手や速度という点を考えなければ、内蔵ストレージを増やすためにSteam Deckの上位モデルを選ぶのはコスパが良い選択肢ではない。特に、ストレージのコスパを考えるならば256GBは最もコスパが悪い選択肢で、256GBを選ぶならば512GBまでアップグレードをしてしまったほうが良い。