Steam Deckで使えるモバイルバッテリー
大容量バッテリーを搭載しているとはいえ、PCゲームをプレイすると3時間ほどしかバッテリーが持たない。外出先などでSteam Deckを長くプレイするにはモバイルバッテリーが必須だ。
更新日: 2023.1.26公開日: 2023.1.18
Steam Deckの充電要件
Steam Deck本体の充電機能はPower Delivery 45Wということしかわかっていないが、詳しい技術スペックとしては「45W(15V/3A)」となっているようだ。
充電電圧が15Vを下回ってしまうと、Steam Deck本体側では「低電圧充電」のアラートが出る。
この「低電圧充電」アラートは、
- Steam Deck側でPower Dlivery 15Vの給電を要求できない場合
- 給電が30Wを下回っている時
に出るとされている。
参考:Why does a “Slow Charger” warning appear when charging the Steam Deck with the GaNPrime Chargers?
上記の条件を超えていれば、「低電圧充電」アラートは出ない。例えば、同じ15V出力のNintendo SwitchのACアダプタ(15V/2.6A)でも充電が可能であるし、Power Deliver 15Vかつ30W以上の給電が可能なモバイルバッテリーであれば、Steam Deckの通常充電が可能ということになる。
ただし、Steam Deckの充電の入力に15Vが必須というわけではなく、5V出力しか出来ないACアダプタやモバイルバッテリーでも充電は可能である。
「低電圧充電」アラートになると何が良くないのか
「低電圧充電」アラートが出るモバイルバッテリーで充電する場合、「入力電力 < 消費電力」となることがある。
つまり、Steam Deckが消費している以上の充電を使うと、充電していてもバッテリーが充電されない、もしくは充電しているのにバッテリーが減っていく事になる。
それ以外のデメリットはないため、「使っていない時に充電する」のであれば、低電圧充電も問題はない。
type A端子からtype C端子に変換するケーブルを使う際は注意が必要
USB Power Deliveryは、USB Type-C端子に対応した電源供給規格のため、USB type-Cからtype-Cを繋ぐケーブルであれば、基本的にはUSB PDに対応している。
注意したいのは、USB A端子からUSB type-C端子に変換するケーブルを使う場合で、この場合はUSB PDに対応したケーブルである必要がある。USB AからCに変換するケーブルでも、ケーブル自体がPDに対応していればSteam Deckの充電が可能だ。
これはモバイルバッテリーに限らず、ACアダプタに関しても同様である。
Steam Deck用のモバイルバッテリーを選ぶ際のポイント
Steam Deckの本体にはバッテリーは5313mAhの大容量バッテリーを搭載してる。一方で、モバイルバッテリーの充電効率は60〜70%とされているため、Steam Deck本体のバッテリーをフル充電するとなると、「5313mAh/0.6 = 8865mAh」で、おおよそ10,000mAhのバッテリーが必要ということになる。
加えて、上述した「USB Power Deliver 15Vかつ30W以上」で出力が出来るバッテリーがSteam Deck用のモバイルバッテリーには最適と言える。
ただし、「Power Deliver 15Vかつ30W以上」でなくても「低電圧充電」アラートが出るだけで充電自体は可能なので、ゲームプレイをしていない時に充電する分には、「USB PDに対応したケーブルとモバイルバッテリー」であれば良い。
Power Deliver 15Vかつ30W以上の給電が可能なモバイルバッテリー
Anker
Ankerのモバイルバッテリーは、Power Devliryかつ30W以上に対応するモバイルバッテリーが多く販売されている。
容量の選択肢も多いため、Steam Deck用のバッテリーとしてはファーストチョイスと言える。
製品名 | メーカー | 価格 | USB端子 | 最大出力(W) | バッテリー容量(mAh) | 重量 |
---|---|---|---|---|---|---|
537 Power Bank (PowerCore 24000, 65W) | Anker | 11,490 | A1, C2 | 65 | 24000 | 500 |
521 Power Bank (PowerCore Fusion, 45W) | Anker | 8,990 | C*2 | 45 | 5000 | 200 |
733 Power Bank (GaNPrime PowerCore 65W) | Anker | 14,990 | A1, C2 | 65 | 10000 | 320 |
PowerCore III Elite 25600 87W | Anker | 12,590 | A2, C2 | 87 | 25600 | 573 |
PowerCore III Elite 25600 60W | Anker | 9,900 | A2, C1 | 60 | 25600 | 568 |
PowerCore+ 26800 PD 45W | Anker | 11,990 | A2, C1 | 45 | 26800 | 580 |
コスパと使い勝手が良いのはACアダプタを兼用出来る521 Power Bankだが、バッテリー容量が5,000mAhではSteam Deckを一回充電出来ない。となると、次点はACアダプタ兼用の733 Power Bankだが、こちらは価格が1.5万円と高くなる。
モバイルバッテリーだけで使う場合は、PowerCore III Elite 25600 60Wであれば理論上Steam Deckを3回弱充電できるため、コスパが高い。
RAVpower
大容量モバイルバッテリーを製造するRAVpowerにもSteam Deckを充電可能なモバイルバッテリーがある。
製品名 | メーカー | 価格 | USB端子 | 最大出力(W) | バッテリー容量(mAh) | 重量 |
---|---|---|---|---|---|---|
モバイルバッテリー RP-PB201 | RAVpower | open | A1, C1 | 60 | 20000 | 371 |
モバイルバッテリー RP-PB232 | RAVpower | open | A1, C1 | 90 | 30000 | 540 |
製品の種類が少ないがAnkerよりもコスパが良いのがRAVpowerのメリットだ。特に、RP-PB232は30,000mAhでありながら540gと軽量に仕上がっているため、ベストチョイスと言っても良いかもしれない。