Steam DeckでVirtualboxは使えるのか?
仮想環境であるVirtualboxがSteam Deckで使えれば、Steam Deckで手軽にWindowsを使うことが出来る。ただし、それが実用的かどうかは別の話だ。
公開日: 2022.12.23
Steam Deckは仮想化技術に対応している
Steam DeckはAMDのカスタムCPUを搭載しているが、AMDの仮想化技術AMD-Vに対応しているかは不明だった。
この点についてValveから公式な声明はないが、2022年からSteam Deckの実機が流通するようになり、実機を使ってVirtualboxをインストールして仮想マシンを起動させるユーザーが出てきた。
それにより、Steam DeckはAMDのCPUはAMD-Vに対応していると考えて良いだろう。
GUI環境として使うのは現状では難しい
Steam Deckで「Virtualboxが使える」と言っても、実働に耐え得るレヘルで使えるかは別の問題だ。
まず、仮想マシンで動作するグラフィックドライバーが存在しないため、GUI環境としてVirtulabox上の仮想マシンを使うのは現実的ではない。もちろん、グラフィック動作が重いのであれば、ゲームのプレイも不可能だ。
次に、仮想マシン上でSteam Deckの特殊なキーがきちんとバインドされない問題もある。
Steam DeckにWindowsをクリーンインストールすると、ほとんどの場合Steam Deckのコントローラーボタンは「XBOXコントローラー」として認識するが、一部正しく認識できないケースも報告されている。
クリーンインストールできちんと認識しないケースがあるのであれば、仮想マシンでゲームコントローラー部分がきちんと認識する、もしくは使えるレベルになるかは微妙なところである。
Steam DeckでWindowsを使うなら素直にクリーンインストールするのが良い
Steam Deckは、Protonのおかげで、LinuxベースでありながらWindowsと遜色ないレベルでWindowsゲームをプレイ可能となっているが、一部のオンラインゲームが非対応のままだ。また、GUIとしても、慣れたWindowsでプレイをしたいというユーザーもいるだろう。
そうしたユーザーからすると、手軽に低リスクでWindows環境を構築できるVirtualboxは魅力的だが、現状ではSteam Deck上の仮想マシンでWindowsを動かすくらいなら、Steam OSにWindowsゲームを直接インストールしたほうが圧倒的に快適だろう。
今後、仮想環境でもSteam Deckのグラフィックドライバーが効くようになる可能性はあるが、Valveとしては、仮想化技術で解決するというよりも、Windows APIをLinuxで動作する方向に舵を切っているため、
- Steam OSを使い続ける
- Windowsをクリーンインストールする
という二択が、今後も現実的な選択肢となるのではないだろうか。